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ドナー体験記

移植手術を終えて

先日、移植手術を終えました。単なる自己満足を得るための行為だったと批判されても仕方ありませんが、自分なりに人生を見直すよい機会になりました。

ドナーに選定される確立は極めて低く、その意味では、僕より遥かに、血も、心も清く、もっとドナーに適した方が山ほどいたと思います。その中で、たまたま運よく選定されたことには心から感謝しますし、その意味では、驕らず高ぶらず、これからも謙虚な気持ちで生きていきたいと思います。最終ドナーに選定されていない皆様、手術を受けた、受けないは関係なく、その気持ちが大切だと思いますので、引き続き、ドナー登録を是非続けて下さい。

僕は、もともと大酒飲みで、肝臓の数字もよくないので、今回は3カ月間断酒し、5キロほどダイエットして、血液の基準値をクリアしました。その意味では、私が患者様を救ったのではなく、患者様から私が健康をいただいたと言ったほうが適切かもしれません。せっかくいただいた健康な体を、今後はもっと世の為、人のために使っていかなくてはいけないと思います。もちろん、健康な体に生んでくれた両親にも感謝しなくてはいけませんし、何よりこうした気持ちになれたことにもまた感謝しています。

ただ、ずっと考えていたのは、私はお医様のように数百人、数千人もの命を救ったわけではないし、火災に立ち向かう消防の方々のように、日々、命を救っているわけでもない。しかも、他のドナー登録者と何らかわらず、偶然、今回選定されただけのことで、その一瞬の役割は果たせせたとしても、人生において、これで世の為、人の為になる「生き方」をしていると言えるか、ということです。

で、全身麻酔中もそんなことを考えながら眠ってしまい、オペを終え、これはあまりに自意識過剰な小さな考え方だと気付きました。人類の長い歴史から見れば、私たちがいるのはほんの小さな針の先でつついたような点の中で、そこで、1つの命を必死になって救おうとしている。それはとても尊いことですが、誰がいくつの命を救えたとか、救えなかったということよりも、人類全体としてみれば、人を救おうとする気持ち、人のため社会のためになろうとする気持ちを、家族や、仲間、職場、あるいは地域の住民と一緒になって、未来永劫に引き継いで、世の中全体を進化・向上させていくことこそ大切なんだと気付きました。

国際非営利団体である人口調査局(PRB・Population Reference Bureau)の調査によれば、これまで地球上に生まれた人の数は1076億人ということです。一方、私たちの体は、それよりはるかに多い37兆(60兆とも言われることがありますが)もの細胞で成り立っています。その37兆の細胞が、たった1個のがん細胞が増殖していくことで完全に死滅していってしまう。逆に考えれば、私たちが提供する造血細胞は、新たな血を創り出し、37兆の細胞を生かせる力を持っています。何をいいたいかと言えば、人類の歴史から見れば、私たちの活動はほんのちっぽけなものかもしれませんが、きっとこれからの世界を変えていく力を持っているし、大切なことは、命を救ったという事実よりも、救おうとしている心をどう世の中に広めていくかだと思います。

今の生き方でいいのか、今の仕事でいいのかとか、いろいろ悩んでいる方もいるかと思います。それはそれで否定しませんし、時に自らの生活を向上させていく上で必要なことなのでしょうが、そもそもたった一度の人生の方針、目標をどう定めているかということが大切だと思うのです。

もし今、人の為になりたくてもなれないと考えている人がいたら、それは恥じるべきことではないと思います。そう思っていることが社会を支えているのでしょうし、そういう方々が一緒になることで、きっともっと素敵な社会が実現できるはずです。骨髄ドナーの登録をきっかけに、もっともっと広く社会を見て、困っている人を助けられるようになりたいものです。



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